2023.09.01コラム
健康かわら版「帯状疱疹と免疫のおはなし」
こんにちは!岡山市北区のシライシ薬局です!
最近は新型コロナウイルスの拡大とともに帯状疱疹の患者さんが増えているようです。
帯状疱疹とは、その名前の通り、帯のように疱疹(小さい水ぶくれ)が広がる病気です。
帯状疱疹の原因やコロナ禍で患者さんが増えている理由について考えてみましょう。
帯状疱疹ってどんな病気?
顔や胸など体の左右どちらか片方にブツブツとした疱疹が現れ、そのあとに水ぶくれができてきます。その前後で激しい痛みが起こるのが特徴です(ごくまれに体全体に発疹が現れることもありますが、その場合は重症なので気を付ける必要があります)。
帯状疱疹の原因はウイルスです。神経でウイルスが増殖して痛みが起こっているのですが、神経の枝は体の正中線を境に左右別々に伸びて広がっているので、片側でのみ症状が現れるといわれます。
帯状疱疹はどこにでも出る可能性があります。神経は全身に通っているからです。発症が最も多いのは胸の部分(肋間神経)で訳50%がここに発症します。
次に多いのが顔(三叉神経)です。目、鼻、額が好発部位で約20%だそうです。
帯状疱疹で大切なことは早期の対応です。かぶれや虫刺されだと重い、数日放置されたために痛みが強くなったり後遺症(口述する「帯状疱疹後神経痛」)が残っていしまうことも少なくありません。
早めの対応が大切!~帯状疱疹後神経痛~
帯状疱疹の経過としては、発疹が出る前にピリピリした前駆痛が一週間ほど続き、その後に赤い発疹が現れます。発疹が出てから三日目までに対応すると症状が軽くなるといわれています。
帯状疱疹にかかった人のうち、3~15%の人が「帯状疱疹後神経痛」に移行するといわれています。
帯状疱疹が治っても、痛みが引かないこの症状の原因は神経そのものの損傷です。帯状疱疹の痛みは神経の炎症によるものなので、炎症が治まれば消えますが、帯状疱疹後神経痛は炎症によって神経が変性してしまうことで神経そのものが痛みの原因になります。若い人は帯状疱疹の直りも早いのですが、直す力(自然治癒力)が弱っている高齢者ほど、「帯状疱疹後神経痛」に移行するリスクが高くなります。早い対応が肝心です。痛みが続くと、その痛みを脳が記憶して「心因性」の痛み(ファントムペイン)になってしまうこともあるので、痛みのコントロールも大切です。